ドアマン

ドアマンによってホテルの印象は決まる

お客様がホテルに抱く第一印象は、何によって決まるのでしょうか。
ホテルが広告に出しているパンフレットに写っている施設や料理の写真、インターネットサイトに掲載されている写真、はたまた施設が位置する場所のロケーションというのも第一印象になりそうなもの。
そのどれもがホテル業という仕事の本質からは少し離れています。

宿泊客がホテルに抱く印象は、まずドアマンによる接客によって決まってきます。
お客様がホテルに到着した際、フロントのドアを開けたり、荷物を代わりに持ってホテル内へ案内したりすることがドアマンの仕事です。
これだけを聞くと、「なんだ、それだけの仕事ならバイトでも良いじゃん」と考えられる方も多いかもしれませんが、この仕事をアルバイトにするか、それとも正社員に任せるかによってホテルのイメージはがらりと変わってきます。

もし仮にやる気の無いアルバイトさんにこの仕事を任せてしまうと、お客様がホテルに抱く印象はあまり良くなりません。
ホテル業はホスピタリティ産業です。
お客様がして欲しいと思っているサービスを、事細かに提供できるかどうかが重要です。
ドアを開けるという一見単調で退屈そうに見える仕事は、実はお客様が抱く満足度を向上させるためにも無くてはならない仕事なのです。

求められるのは非日常

お客様はホテルに何を求めているのか、という点はホテル側からしてみれば死活問題にまで発展する重要な案件です。
例えばビジネスホテルであれば、ただ宿泊できれば良い、という人向けになりますし、またその程度の需要しか無いことから、それならば価格の安さで泊まるホテルを選ぶということになります。

しかし、観光に使用するようなホテルならば話は全く別になります。
日常を忘れ、観光を満喫するためにホテルを利用するのならば、非日常的な、存分にくつろげる空間であることが求められてくるのです。
勿論価格についてはある程度は考慮しなければなりませんが、ビジネスホテルのように安さだけが他社との勝負のポイントである、ということは決してありません。

ドアマンは、非日常的な極上のくつろぎ空間やサービスを提供するために必要不可欠の存在です。
お客様がホテルに到着して、初めて会うスタッフがドアマンですので、入口で無愛想に挨拶をしたり、ホスピタリティ産業にあるまじき無骨な態度を取ったりしてしまうと、それだけでお客様は非日常から現実に引き戻されてしまうのです。

にこやかに、そして爽やかに対応されれば、それだけでなんだか自分が特別な存在であるかのように思えるものではないのでしょうか。
ドアマンはいわばホテルの看板のような存在であり、お客様がこれから気持ち良くホテルのサービスを利用できるかどうかが決まる重要なポジションであると言えるでしょう。