バトラー

非日常が求められるホテル

ホテルに宿泊する際、どのような点を重視してホテル選びを進めるものなのでしょうか。
価格の安さのみを追求するとその分サービスの質も低下してしまいますので、旅行などの宿泊をする際にはある程度の値段は覚悟する、という方も多いと思います。
ただ質素に宿泊するだけなのならば、適当な安いビジネスホテルに宿泊するという方がいるのではないでしょうか。

ここで注目したい点は、お客様はホテルの利用に際し、利用用途によってサービスの質を選んでいるということです。
日常の喧騒から離れたい、非日常の癒しを求めている人にとって宿泊料金は二の次であると考えているのです。
バトラーの仕事は、まさに非日常を演出するために必要となる重要な仕事です。

バトラーの仕事は?

日本にはあまりバトラーの文化はありませんが、海外の高級ホテルでは大分普及している文化です。
バトラーとは直訳すると執事のことであり、ホスピタリティには欠かせない存在になっています。
その業務内容は多岐に渡りますが、基本的にはお客様専属の執事として、身の周りの世話を全て行うことが前提に仕事の前提となっています。

例えば、食事を用意することも業務の一環ですし、荷物を代わりに持って部屋へ運ぶことも仕事です。
その他にも荷ほどきをしたり、外出をする際に車の手配をしたり、お客様に代わって買い物をしてくることもあります。
とにかくお客様の身の回りのお世話ならば何でもする、ということがバトラーの仕事となっています。

バトラーに頼む世話は、どの程度までならば許されるか、という問いはなかなか難しいですが、実例を挙げるならば、着替えの手伝いをすることもありますし、またお客様の体調が優れないようならばお医者様を呼ぶこともあります。
また何か欲しい物があった場合にはホテル内の各組織に渡り歩いて、欲しい物を持ってくることもあります。
このように、お客様の身の回りの世話全てにおいて、依頼を遂行することがバトラーの仕事なのです。

こういったホスピタリティ性の高いサービスが提供できるかどうか、という点によってホテルの非日常性、ひいてはお客様の満足度が変化してきます。
ホテルをより便利に利用したり、また充実した時間を過ごしていただくためには、一般的な日常ではありえないようなおもてなしを提供しなければなりません。
バトラーはお客様を主と見立てて、何のお申し付けであったとしてもその依頼を遂行しなければなりません。

海外ではチップの文化もありますので、もしも海外でバトラーさんに何かを依頼したとしたら、そのお礼にチップを渡すようにしましょう。
さすがにこれは気が引けるなぁというようなことでも、案外承ってもらえます。

日本ではあまり無い制度ですが、誰からの、何のお申し付けであったとしても承らなければなりませんので、この仕事に就きたいという方は語学力も付けておく必要があります。