世界最大規模を誇るホテル・レジャー企業

世界最大規模のホテル・レジャー企業「スターウッドホテル・リゾートワールドワイド株式会社」は、北米、アフリカ、アジア太平洋州、ヨーロッパなどまさに世界規模で展開する大型のホテルチェーンです。
アメリカ・スタンフォードにその本部はあります。

「ウェスティン」、「シェラトン」など10にも及ぶ高級なブランドで構成されるホテルチェーンで、ホテル名を聞いてもこれはスタンウッドだと気が付く人は少ないでしょう。
日本にはなじみが薄くまた施設の数も少ないのですが、東京、京都、大阪を始め20ほどの施設があります。
東京であれば、港区にある「シェラトン都ホテル東京」、目黒区にある「ウィンスティンホテル東京」などがあります。

スターウッドの歴史

今から100年前にユナイテッド航空の持株会社にあたるUALインクが、ウェスティンを系列の1つとし、勢力を拡大していました。

1980年代末、日本のバブル期に日本の青木建設が一度、ウェスティン株の一部を取得したのですが、1990年代に入りバブル崩壊のあおりで、ウェスティン株は手放され、不動産投資家のスターウッド氏の手に渡ります。

スターウッド氏は既に数多くのホテルを所有していましたが、これに満足することはありません。
更に、勢力拡大を狙い、スターウッド氏は1998年にウェスティン株の全てを、続いてシェラトン株のすべてを取得し、世界指折りの巨大なホテルチェーンの基礎が出来上がったのです。
そして、系列の6つのブランドのホテルを合体させ、「スターウッドホテル・リゾートワールドワイド」が産声を上げたのです。

「シェラトン」が買収された理由

「ウェスティン」の合併相手先のホテルとして「シェラトン」を選択した理由は2つあったと言われています。

①数の論理
スターウッド氏は、航空会社などに普及しているような「会員制の組織」の拡充が、多数の顧客獲得への近道だと考えていました。
そのためには、世界中の各都市のいたる所に系列ホテルが存在することが必要です。
ウェスティン以上に世界各地にホテル施設を有する「シェラトン」をグループ化できれば、十分な軒数で世界展開ができると考えたのです。

②投資の必要性
世界が急速にIT化し、インターネットが普及することを見据え、今こそコンピュータシステムに投資してシステムを確立したうえで、グローバルに展開することが成功に導くと考えていました。
IT化はまさに大量の情報処理に適しており、規模を大きくして事業展開することに向いているのです。

「カスタマー・イズ・ベスト」の理念も息づく

この巨大ホテルチェーンの誕生の経緯を見ると、利益の追求が前面に出てくるのですが、「カスタマー・イズ・ベスト」という顧客第一主義でも有名なホテルチェーンでもあります。

安眠を現代科学で分析し、「ヘブンリーベッド」と呼ばれる独自のベッドを開発して導入したり、各スタッフへの接客指導には定評があります。